神経学的検査
腰椎捻挫などによって生じる腰部の神経症状を医学的に証明ないし説明する手段として,神経学的検査が行われています。
FNSテストは,神経根障害を調べるための神経学的検査の一つです。
FNSテスト
腰髄神経(L2,L3,L4)の障害を検査するためのテストで,FNSは大腿神経伸長テスト(Femoral Nerve Stretching Test)の各単語の頭文字に由来する略称です。
まず,患者がうつ伏せに寝た状態で手で臀部を固定し,膝を90度曲げます。そして,その状態から足を持ち上げて股関節を伸ばしていきます。
高位腰椎椎間板の病変など,腰髄神経に障害がある場合,太ももの前面あたりに痛みが生じ,陽性と判断されます。
後遺障害等級認定との関係
FNSテストはそれ単体では客観性が低いという問題があります。
なぜなら,自分の意思で検査結果を操作することも可能であるからです。
もっとも,検査結果が客観的な画像所見と整合していたり,深部腱反射テスト(アキレス腱反射テストや膝蓋腱反射テスト)などのごまかしようのない客観的な神経学的検査と整合していれば,主張を補強する材料になりますので,これらの検査についても行うことが望ましいと考えられます。