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遷延性意識障害(植物状態)

2018.05.13

1 遷延性意識障害の後遺障害等級認定について

 交通事故による頭部外傷によって、一般的には植物状態と呼ばれている遷延性意識障害を引き起こす可能性があります。

 日本脳神経学科学会では、以下の①~⑥の状態が治療にかかわらず3ヶ月以上継続している状態のことを遷延性意識障害と呼んでいます。

 遷延性意識障害の定義に当てはまる状態であれば、通常、自賠責保険における後遺障害認定では自賠法施行令別表第1の1級1号「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」と認定されます。

①自力での移動が不可能。

②自力での摂食が不可能。

③糞・尿の失禁がある。

④眼でかろうじて物を追うことがあっても認識はできない。

⑤簡単な命令に応ずることはあるが、それ以上の意志の疎通は不可能。

⑥声を出しても意味のある発語は不可能。

2 遷延性意識障害の損害賠償請求上の問題

 損害賠償請求の実務上の問題として、被害者の判断能力が失われ、示談(和解契約締結)をする能力が欠けていることがあげられます。

 被害者が未成年者の方の場合には、ご両親などの法定代理人が被害者の未成年に代わって示談交渉を行ったり、弁護士に示談交渉を委任することなどができますが、被害者が成年の場合はご両親などが被害者を代理することはできません。

 したがって、交通事故で重篤な後遺障害を負ったにもかかわらず、被害者に保険会社と示談を行う能力がないために、賠償を受けることができない困難な状況に陥ることになります。

 また、弁護士に示談交渉などを依頼しようとしても、被害者は弁護士に交渉の代理権を与える能力にも欠けている状態です。

 このような場合には、まず成年後見人の選任を家庭裁判所へ申立て、後見人選任後、後見人が被害者に代わって示談を行う、あるいは後見人が被害者に代わって示談交渉を弁護士に委任するなどの手続きが必要となります。

 たかつき法律事務所では、交通事故の示談交渉に先立ち、成年後見申立を行う必要がある事案についても対応しております。

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