鼻の後遺障害

鼻の後遺障害に関しては、

①鼻の欠損障害

②鼻の欠損を伴わない機能障害

に分類することができます。

1 鼻の欠損障害

認定されうる後遺障害としては、以下のものがあります。

鼻の欠損とは、鼻軟骨部の全部又は大部分の欠損をいいます。

外貌醜状の後遺障害との関係では、「外貌に著しい醜状を残すもの」として7級12号に該当する可能性があるほか、鼻の欠損障害に該当しない場合でも「外貌に醜状を残すもの」として12級14号に該当する可能性があります。

鼻の欠損障害と外貌醜状の後遺障害の等級を比較して、高い方の等級が認定されることになります。

後遺障害等級 後遺障害認定基準
9級5号 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの

2 鼻の欠損を伴わない機能障害

認定されうる後遺障害としては、以下のものがあります。

自賠責保険の実務では、後遺障害別等級表にない後遺障害に関しても、別表第2備考⑥を適用することにより、各等級の後遺障害に相当するものについては当該等級の後遺障害とするという認定を行っています。

嗅覚の後遺障害では、労働能力に与える影響が争点となっています。

加害者側の保険会社から、嗅覚は労働能力に影響せず、逸失利益は否定されるとの主張がなされ、争いになることがあります。

過去の裁判例では労働能力喪失を否定するものと肯定するものに分かれていますが、性別、年齢、減収の程度および嗅覚障害の職業に対する具体的影響などの事情を考慮し、特に職業への影響を重視して判断される傾向にあります。

後遺障害等級 後遺障害認定基準
別表第2備考⑥を適用
12級相当
嗅覚脱失
別表第2備考⑥を適用
12級相当
鼻呼吸困難
別表第2備考⑥を適用
14級相当
嗅覚の減退

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