SLRテストとはどのようなものですか?

神経学的検査

 腰椎捻挫などによって生じる腰部の神経症状を医学的に証明ないし説明する手段として,神経学的検査が行われています。

 SLRテストは,神経根障害を調べるための神経学的検査の一つです。

SLRテスト

 ラセーグテストと同じく,坐骨神経(仙髄神経(S1,S2,S3)や腰髄神経(L4,L5))の障害を検査するテストで,SLRは下肢伸展挙上テスト(Straight Leg Raising Test)の各単語の頭文字に由来する略称です。

 患者が仰向けに寝た状態で,膝を曲げずに伸ばしたままで足を上げていき,坐骨神経を圧迫します。

 膝を曲げずに検査するこちらのテストについてもラセーグテストと呼ぶことがあります。

 坐骨神経に障害がある場合,足を挙げる過程で太ももの裏側からふくらはぎの裏側あたりに痛みが生じます。痛みが生じて70度以上挙げられない場合,陽性と判断されます。陽性の場合は何度から+というように,反応があった角度とあわせて検査結果に記載されます。

 椎間板ヘルニアがある場合,痛みで30度も足を挙げることができない場合もあります。足が挙がる角度が低ければ低いほど症状が重いと考えられます。

後遺障害等級認定との関係

 深部腱反射テスト(アキレス腱反射テスト膝蓋腱反射テスト)といった患者の意思が介在しにくいテストと比べれば,自分の意思で検査結果を操作しうる点では客観性が一段落ちますが,坐骨神経の障害を裏付けるための神経学的所見の一つですので,後遺障害等級認定申請の際は,検査を受けることが望ましいと考えられます。

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