神経学的検査
むち打ち損傷の神経症状を医学的に証明ないし説明する手段として,神経学的検査が行われています。
スパーリングテストやジャクソンテストは,神経根障害を調べるための神経学的検査です。
スパーリングテスト
患者が椅子に座り,医師が後ろから患者の頭を掴んでしびれや痛みが出ている側に傾け,さらに後ろに反らして圧迫します。このようにすることで神経根の出口が狭められます。
神経根に異常がある場合は,その神経根の支配領域である肩,腕,手などにしびれや痛みが生ます。
検査結果は,患者がしびれや痛みを訴えた場合は陽性(+),そうでない場合は陰性(-)と記載されます。
ジャクソンテスト
スパーリングテストと同じ目的の神経学的検査です。
患者が椅子に座り,頭を後ろに倒した状態で,医師が上から下に押し下げて圧迫し,神経根の出口を狭めることで神経根の異常の有無を判断します。
神経根に異常がある場合は,その神経根の支配領域である肩,腕,手などにしびれや痛みが生ます。
検査結果は,患者がしびれや痛みを訴えた場合は陽性(+),そうでない場合は陰性(-)と記載されます。
後遺障害等級認定との関係
スパーリングテストも,ジャクソンテストも,それ単体では客観性が低いという問題があります。
なぜなら,両テストともに,しびれや痛みの存在は自己申告によるため,検査結果を操作することも可能であるからです。
もっとも,検査結果が客観的な画像所見と整合していたり,深部腱反射テストなどのごまかしようのない客観的な神経学的検査と整合していれば,主張を補強する材料になりますので,これらの検査についても行うことが望ましいと考えられます。