神経学的検査
むち打ち損傷の神経症状を医学的に証明ないし説明する手段として,神経学的検査が行われています。
深部腱反射テストとは,その神経学的検査の一つです。
深部腱反射テスト
腕の腱をゴムハンマーで打診することによって生じる反射を確認します。
脊髄に異常が認められるときは,反射は亢進・軽度亢進(亢進とは「過剰に強くなる」というような意味です)を示します。
末梢神経である神経根に異常が認められるときは,反射は低下,消失を示します。
検査結果は,正常(+),亢進(+++),軽度亢進(++),低下(±),消失(-)などと記載されます。
むち打ち損傷の神経症状に関連する検査としては,上腕二頭筋腱反射(C5神経根に対応),上腕三頭筋腱反射(C7神経根に対応),腕橈骨筋反射(C6神経根に対応)が挙げられます。
後遺障害等級認定との関係
反射をみるテストであり,比較的客観性があることから,後遺障害等級認定において有力な神経学的所見になると考えられています。
例えば深部腱反射で末梢神経の異常が見られ,それに対応する頚椎の神経根圧迫などの客観的な画像所見が得られたような場合には,神経症状を医学的に証明可能であるとして,12級13号が認定される可能性がでてくるものと思われます。