腕の筋萎縮検査とはどのようなものですか?

神経学的検査

 むち打ち損傷の神経症状を医学的に証明ないし説明する手段として,神経学的検査が行われています。

 筋萎縮検査とは,その神経学的検査の一つです。

筋萎縮検査

 むち打ちや頚椎捻挫で神経に異常がある場合,その支配領域である腕や手にしびれが生ずることがあります。

 片方の腕や手にしびれがでると,しびれが無い方と比較するとしびれがある方の腕や手は自然と使われなくなってしまいます。

 そして,使用されなければ筋肉がやせ細っていくのは避けられません。

 このメカニズムに着目したのが筋萎縮検査です。

 具体的には,両上肢の肘関節の上下10cmのところの上腕部と前腕部の周径を計測します。

 該当箇所がしびれが無い腕の方と比べてやせ細っていれば,しびれの存在が単なる自己申告ではなく客観的に裏付けられていると言えます。

 そして,しびれがあることが客観的に裏付けられれば,その部分を支配する頸部神経に異常があることを説明・証明するための根拠となります。

後遺障害等級認定との関係

 被験者の自己申告によるような検査ではなく,ごまかしようがないため,後遺障害等級認定において有力な他覚的所見になると考えられます。

 片方の腕や指だけにしびれが生じているような場合には,筋萎縮検査を受けるようにしましょう。

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