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保険会社から、そろそろ症状固定なので治療を止めて欲しいと言われました。症状固定とは?治療を続けるかどうかは保険会社が決めるのですか?

2018.05.13

症状固定と後遺障害

症状固定とは

 症状固定とは,「治療を続けても,それ以上症状の改善が望めない状態」のことを言い,通常は,主治医から「これ以上治療を継続しても症状改善の見込みがない」と判断された時期のことを指します(訴訟で争いになり,主治医の判断とはことなる症状固定時期が認定されることはあります)。

 たとえば,対処的な治療法で一時的に苦痛が緩和されても,数日で戻ってしまうことを繰り返すような場合や,怪我の治療をきちんと受けたとしても後遺障害が残ったり,事故前と同じ状態に回復できないような場合でも,適切な治療を受けることで改善を期待できない状態まで回復したと認められる場合には,症状固定に達したと考えられます。

 症状固定は,医学的な概念ではなく,損害賠償手続きをおこなうための賠償医学上の概念です。

後遺障害とは

 後遺障害とは,「傷害の治療効果に更なる改善が期待し得ない状態に治ったときに残存する,当該傷害と相当因果関係を有し,且つ将来においても回復が困難と見込まれる障害であって,その存在が医学的に認められるもの」のことをいいます。

 難しい表現ですが,怪我がこれ以上回復しない状態になった場合に,将来回復が望めないような障害のことを言います。

 後遺障害は,下記の4点を基準に認定されます。

  1. 自動車事故による障害と後遺障害との間に相当因果関係があること。
  2. 将来においても回復が困難と見込まれる精神的または身体的な既存状態であること。
  3. その存在が医学的に認められたものであること。
  4. 労働能力の喪失を伴うものであること。

症状固定と保険会社

 症状固定は,保険会社が行うものではなく,原則的に医師が判断するものです。

 しかし,交通事故で後遺障害が発生しないと見込まれるようなケース,即ち症状固定後の「後遺障害分」の賠償が発生しないようなケースでは,保険会社としてはできるだけ早く症状固定させて治療費や休業損害の支払いを打ち切る方向でアプローチしてきます。
 また,後遺障害が発生するようなケースでも,できるだけ早く症状固定させて後遺障害の認定手続に進み,早く損害額を決めてしまいたいというのが保険会社の一般的な対応です。

 まだ回復途中で治療を続けているにもかかわらず症状固定とされると,保険会社は原則としてそれ以後の治療費など傷害分の損害を支払わなくてよくなるので,保険会社に得となるとも考えられます。

 しかし,今後さらに治療を続けてから後遺障害認定手続を行ったならば軽度の等級認定とされるようなケガや症状が,回復途中の時点では重度の等級として認定されてしまうケースがあります。

 このような場合では,保険会社は高額な後遺障害分の賠償を支払わなくてはならないので,傷害固定をせずに治療をつづけたときより保険会社の支払いが大きくなることも考えられます。

 支払いの逆転現象が生じる可能性があるため,重度の脊椎損傷や脳に障害を負ったようなケースでは,保険会社の側から症状固定をしないで治療を継続するよう依頼してくるケースもあります。

 また,保険会社によっては,治療している間は症状固定を進めたにもかかわらず,重度の後遺障害が残って訴訟になれば,重度の後遺障害が認定されたのは症状固定が早すぎたためであるから,長期の治療を行った場合の症状を基準として等級の認定をすべきといった悪質な主張を行ってくるところもあります。

 症状固定と判断されると,今現在のケガ等に与える影響はどのようなものなのか,当事者側としても,冷静に判断することが必要となります。

保険会社が症状固定をすすめてきたら

 前述のように,症状固定は原則医師が行います。ケガの回復が途中で治療が続いているにもかかわらず症状固定を進められたような場合は,保険会社に治療を続けたい旨を伝えるほかありません。

 他方,医師は患者の意向を酌んで,治療を続けたい場合は治療してくれるのが一般的です。ですから,単に医師が治療を続けているというだけでは,保険会社は治療費の支払いを打ち切ることが考えられます。

 それでもやはり治療を続けたい場合は,弁護士に依頼し,当面の治療費の支払いを継続するよう,保険会社と交渉をしてもらうことも可能です。

 但し,一般的にみて,その程度のケガや障害であれば十分だろうといえる治療期間が過ぎ,実際に治療内容がリハビリやそれに類似するような内容になり,さらに今後も症状や治療の内容に大きな変化がなく状態が継続することが予想されるような場合は,既に症状固定していると考えられます。
 つまり,治療の内容は「傷害に対する治療」から「後遺障害に対する治療」に変化したものと評価されることになります。このような場合には,交渉しても治療継続は困難です。

訴訟になった場合

 なお,賠償や等級認定について訴訟になったような場合には,前述の悪質な保険会社の事例のように,症状固定日について争われる場合もあります。

 症状固定に関する医師の判断は,専門的なものとして,判断の際に考慮されますが,医師の判断が全てというわけではありません。

 もし医師が判断し,書面に症状固定日を記載していたとしても,その判断が合理性を欠くと事後的に判断されたような場合には,裁判官は当事者双方の主張や立証を勘案し,妥当な症状固定日を認定します。

 この場合,賠償額は裁判官によって認定された症状固定日を基準に算定されます。

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