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2021.05.25

支払額が1.9倍となる約148万円の増額に成功した事例

50代自営業者女性
後遺障害等級
併合14級
傷病名
頚椎捻挫・腰椎捻挫
保険会社提示額
163 万円
最終獲得額
311万円

事例のポイント

50代 / 自営業

支払額が1.9倍となる約148万円の増額に成功した事例

ご相談内容

被害者 50代自営業女性
部位 首・腰
傷病名 頚椎捻挫・腰椎捻挫
後遺障害等級 併合14級
獲得金額 311万円

本件は、保険会社の初回の示談提示の後、弁護士委任となった案件です。

サポートの流れ

項目 サポート前 増額幅 サポート後
後遺障害等級 14 14
治療費 35 35
通院費・文書料 1 1
入通院慰謝料 52 28(1.5倍) 80
休業損害 35 18(1.5倍) 53
逸失利益 75 102(2.4倍) 67
後遺障害慰謝料 110
既払金 -35 -35
合計 163 148 311
単位:万円

取得金額

311万円

受傷部位

首・腰

後遺障害等級

併合14級

当方: 相手: 

 依頼者の自営業の事故前年度所得が66万円と非常に低額であったため、兼業主婦として逸失利益・休業損害が認められるかどうかが争点となりました。

 本件の管轄裁判所である大阪地方裁判所の基準を取りまとめた「交通事故損害賠償額算定のしおり」では、「有職者で家事労働に従事している場合には、実収入額が学歴計・女性全年齢平均賃金を上回っているときは実収入額によりが、下回っているときは上記の家事従事者に準じる」と明記され、兼業主婦の実収入額が女性全年齢平均賃金を下回っている場合には家事従事者として主婦休業損害を認定するという基準が目安として示されています。

 そこで、裁判基準の入通院慰謝料を算定するとともに、兼業主婦として令和元年の女性全年齢平均賃金である388万円を基礎収入として逸失利益と休業損害を算定し、損害額算定書を作成して請求いたしました。

 しかし、保険会社の回答は、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料を裁判基準の80%までしか認めず、さらに基礎収入を自営業の事故前年度所得66万円をもとに算定し、逸失利益14万円、休業損害5万円(自賠責の日額5,700円に実通院日を掛けて形式的に計算した初回提示金額の35万円からも大幅減額になっています)を認定した総額187万円というものでした。

 このように極めて低い示談金額しか提示してこないのであれば、交渉を断念し、訴訟提起や交通事故紛争処理センターへの申立へ移行せざるをえないことを示唆しつつ、再度兼業主婦として逸失利益・休業損害を認定するよう求めたところ、保険会社は顧問弁護士に照会の上、休業損害の認定のために、事故前3ヶ月の自営業の稼働状況・拘束時間を明らかにする資料の提出を求めてきました。

 そこで、当職は、事故前3ヶ月分の予定から稼働時間を推定計算した勤務時間表や、家事労働についての報告書を作成し、自営業者の兼業主婦について女性全年齢平均賃金を基礎収入として計算した休業損害が認められた先例(横浜地判平成26年6月26日自保ジャーナル1929号61頁)も添付した上で、詳細な内容の損害額算定書を再度提示いたしました。

 しかし、保険会社は入通院慰謝料・後遺障害慰謝料については請求通り認めたものの、家事従事者としての従事割合は50%であるとして260万円を基礎収入として計算し、回答は逸失利益56万円、休業損害21万円を認定した総額269万円にとどまりました。

 保険会社が主婦休業損害を頑なに認めない姿勢を示したことから、本件について示談交渉での解決を断念し、交通事故紛争処理センターへ申立を行うことになりました。

解決内容

 交通事故紛争処理センターの和解斡旋手続きでは、当職が主張した通りに令和元年の女性全年齢平均賃金である388万円を基礎収入として逸失利益・休業損害を算定した341万円の和解案が嘱託弁護士から出されましたが、保険会社は、配偶者と離婚後に成人の子供と同居している女性の自営業者の事案において、逸失利益・休業損害の基礎収入を女性全年齢平均賃金の6割で認定した東京地判平成27年3月18日自保ジャーナル 1950号96頁を先例として示した上で、交通事故紛争処理センターの和解案を拒否してきました。

 交通事故紛争処理センターの和解斡旋手続きは話し合いの手続きですので、両当事者が合意しなければ示談は成立しません。和解斡旋が不調になった場合には、審査会による審査手続きを申し立てることができます。審査会の合議により裁定(結論)が出されますと、保険会社は審査会の裁定を尊重することになっているため、被害者が裁定に同意すれば和解が成立することになります。

 しかし、保険会社が嘱託弁護士の和解案を拒否した後、すぐに和解斡旋不調を上申して審査を申し立てるべきかどうかは悩ましい問題でした。

 というのは、東京地判平成27年3月18日自保ジャーナル 1950号96頁の事案が被害者の状況と非常に類似していたため、審査会の裁定で裁判例と同様に女性全年齢平均賃金から大幅に減額して基礎収入額が認定される可能性を否定できなかったからです。

 そこで、嘱託弁護士の和解斡旋案の金額を下回るにしても、保険会社の回答次第では審査手続きを申し立てることに減額リスクが生じうると考え、和解斡旋手続きを続行し、保険会社に和解可能金額を検討するよう求めました。

 そして、次回期日で、保険会社から300万円の提示が出されたのに対し、基礎収入額を女性全年齢平均賃金の80%で計算した311万円への増額を求めたところ、保険会社がそれに承諾したことで、最終的に311万円で和解が成立しました。

所感(担当弁護士より)

 当職の主張や交通事故紛争処理センターの嘱託弁護士の和解斡旋案の通りに女性全年齢平均賃金平均賃金を基礎収入として兼業主婦の逸失利益・休業損害が認められなかったことは残念ですが、審査手続きで類似事案の裁判例である東京地判平成27年3月18日自保ジャーナル 1950号96頁の通りに大幅に基礎収入額が減額されるリスクを否定できなかったため、女性全年齢平均賃金の80%を基礎収入として逸失利益・休業損害を算定した和解金額も妥当な範囲であったと考えます。

 交通事故紛争処理センターへの申立を経て、支払額が1.9倍になる約148万円の増額に成功いたしました。

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