事例のポイント
30代 / 兼業主婦
主婦休業損害が認められ、支払額が3.8倍となる約71万円の増額に成功した事例
ご相談内容
被害者 | 30代兼業主婦 |
---|---|
部位 | 足 |
傷病名 | 左脛骨高原骨折 |
後遺障害等級 | なし |
獲得金額 | 96万円 |
本件は保険会社の初回の示談提示の後,弁護士委任となった案件です。
サポートの流れ
項目 | サポート前 | 増額幅 | サポート後 |
---|---|---|---|
後遺障害等級 | なし | – | なし |
治療費 | 15 | → | 15 |
その他費用 | 10 | → | 10 |
休業損害 | 31 | 34(2.1倍) | 65 |
入通院慰謝料 | 25 | 75(4倍) | 100 |
過失相殺(20%) | 0 | -38 | -38 |
既払金 | -56 | → | -56 |
合計 | 25 | 71 | 96 |
単位:万円 |
取得金額
96万円
受傷部位
足
後遺障害等級
なし
当方:20 相手:80 道路:同幅員の十字路
態様:十字路を直進する当方の自転車に,左方向から直進する相手方車輌が衝突
保険会社の示談金の提示内容を確認したところ,慰謝料が自賠責基準で算定された非常に低い額であるだけでなく,兼業主婦の休業損害が認められていなかったことから,裁判基準で算定した慰謝料とともに,兼業主婦の休業損害を算定して請求いたしました。
本件事故は,別冊判例タイムズ240図の基本割合である自転車20:四輪車80の過失割合が適用される事案です。
しかし,保険会社は受任前の示談提示において過失相殺を主張していません。
このように,保険会社が示談交渉において過失相殺を主張していない場合,大抵は自賠責保険基準に基づく非常に低い金額ですので注意が必要です。
加害者が加害行為を否定していたり,被害者の過失が非常に大きな事案を除き,加害者が加入している任意保険会社が被害者に対し,自賠責保険金部分を含んで賠償金を支払い,後で自賠責保険金の支払いを受ける一括対応と呼ばれる手続きが取られていることがほとんどです。
任意保険会社が実際に負担するのは,賠償金から自賠責保険金部分を除いた金額になります。
そして,自賠責保険には重過失減額という制度があり,被害者の過失が7割未満であれば自賠責保険金は減額されません(詳しくは,「自賠責保険における重過失減額とはどのようなものですか?」を参照下さい)。
そのため,保険会社は自賠責保険基準で賠償金を算定しつつ,過失相殺を行わない示談提示をすることがあります。
過失相殺を行っていないので被害者にとって得な示談金を提示しているように見えますが,保険会社が過失相殺をしていないのは,自賠責保険の重過失減額の制度により,損をしないからに他なりません。
裁判基準で慰謝料等を請求して交渉すれば,保険会社は当然のように過失相殺を主張してきます。
本件でも,当職が裁判基準の慰謝料や兼業主婦の休業損害をしたところ,保険会社は20%の過失相殺を主張してきました。
解決内容
安静を余儀なくされたとしてギプス固定期間を入院期間と同視して入通院慰謝料を算定し,兼業主婦の休業損害を主張して交渉したところ,請求通りに入通院慰謝料が認められ,勤務先の休業損害の2.1倍となる主婦休業損害が認められました。
所感(担当弁護士より)
保険会社は当初自賠責保険基準で入通院慰謝料を算定し,兼業主婦の主婦休業損害を認めないなど,非常に低い金額を提示していました。
これに対し,弁護士が粘り強く交渉したところ,入通院慰謝料が4倍,休業損害2.1倍になる,支払額が3.8倍となる約71万円の増額に成功いたしました。