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後遺障害の等級認定

2018.05.13

後遺障害の等級について

 交通事故による後遺障害は,介護を要する後遺障害を自賠法施行令別表第一の1~2級,その他の後遺障害を自賠法施行令別表第二の1~14段階に区分されています。

 後遺障害の認定基準については,労災保険と同様に『労災補償障害認定必携(一般財団法人労災サポートセンター編著)』に準拠して行われていますが,その基準には,例えば「両目が失明したもの(1級1号)」のように客観的に明確なものもあれば,「局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)」「局部に神経症状を残すもの(14級9号)」のように抽象的なものもあります。

 「局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)」の基準については,神経障害の存在が医学的に証明される場合をいい,「局部に神経症状を残すもの(14級9号)」の基準については,神経障害の存在は証明するまでにはいたらなくても,被害者の訴える症状の発生が医学的に説明(推定)できる場合がこれにあたるとされています。

むちうち損傷の後遺障害について

 交通事故被害で多いむちうち損傷では,「局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)」や,「局部に神経症状を残すもの(14級9号)」の認定を受けることができるかどうかが問題になります。

 むちうちによる症状は,被害者本人にしか分からない症状,医師の目には見えない症状であることが多いため,どのような場合に医学的に証明あるいは説明できる場合にあたるかの判断が難しいケースといえます。

 一般的な説明としては,他覚的所見として画像所見があることが重要で,さらにそれを裏付けるスパーリングテストやジャクソンテスト腱反射テスト筋萎縮検査などの神経学的検査の所見があれば,医学的に証明あるいは説明できる場合にあたると判断される可能性が高いと考えられます。

 もっとも,画像所見がある場合は有力な他覚的所見となるのですが,むち打ち損傷の場合,画像では異常が見られず,自覚症状のみという場合が少なくありません。

 後遺障害認定においてどのような事情が考慮されているかについて,損害保険料算出機構では,詳細な内部基準を作成・適用しながら審査を行っているようですが,それらの内部基準は一般公開されていませんので,経験などから推測していくしかありません。

 既に述べたとおり推測にもとづきますが,「局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)」の認定を受けるに際しては,まずMRIの画像上で明確に神経根の圧迫といった異常を確認することができることが不可欠だと思われます(画像所見があれば,それだけで12級13号の等級認定を受けることができるというわけではありません)。

 一方,「局部に神経症状を残すもの(14級9号)」の認定を受けるに際しては,画像所見や神経学的検査などの他覚的所見の他に,事故状況,治療・通院状況が重要視されているように見えます。

非該当事案で散見される事情

 非該当となる事案では,画像所見などの他覚的所見が乏しいことに加え,以下のような事情が散見されています。

1 事故が軽微

 例えば車両同士の事故で,車両に損傷がほとんどない場合などは,衝撃も少なく,受傷も軽微だと判断される可能性があります。

 特に人身事故の届け出をしておらず,物件事故扱いになっている場合,事故が軽微で症状が軽いから人身事故扱いにしていないとみなされる可能性があります。

 物件事故の場合,自賠責保険から人身事故証明書入手不能理由書の提出が求められますが,人身事故扱いの事故証明書が入手できなかった理由について「受傷が軽微で、検査通院のみ(予定を含む)であったため」や「受傷が軽微で、短期間で治療を終了した(もしくは終了予定の)ため」に○がつけられているような場合には,後遺障害等級の獲得が難しくなります。

 人身事故扱いだと実況見分が行われることになりますが,現場の警察官がその負担を避けようとして,物件事故のままでも保険会社から治療費は支払われるので問題ないなどと説明して,暗に物件事故扱いのままにすることを勧めてくることがありますので,注意が必要です。

2 自覚症状が継続・一貫していない

 むち打ち損傷では画像所見などの他覚的所見に乏しいことが少なくありません。その上で,自覚症状も継続・一貫してないとなると,自覚症状の訴え自体の信用性が乏しい,あるいは何年も症状が残存するか不明だと判断される可能性があります。

3 通院実績に乏しい
(1)事故当初から通院していない

 例えば,事故後1ヶ月経過後に通院を始めるようなケースだと,事故と症状との間の因果関係がないと判断される可能性があります。

(2)通院頻度がまれ

 自賠責の調査事務所は,症状が重いのであれば,頻繁に通院するはずだと考えているようです。

 例えば月1回しか通院していないなど,通院実績が乏しい場合,症状がたいしたことがないから通院していないと判断される可能性があります。

 痛みなどの症状がある場合には,少なくとも週に1~2回,できれば週3~4回は通院するようにしましょう。

 忙しくて通院できないとおっしゃる方は少なくないですが,実際は痛みがあるのに我慢して会社に出勤してたりすると,休みもなく働けるのなら労働能力は喪失していないだろうと考えられてしまい,後遺障害等級認定の上では不利に扱われるおそれがあます。

 また,整形外科にほとんど通わず,整骨院・接骨院に積極的に通う方がいらっしゃいますが,整骨院・接骨院での施術は,後遺障害等級認定においては治療実績として評価されません。整骨院・接骨院メインで通院していた方が後遺障害等級認定を得られる可能性は非常に低いのが実情です。

 そのほか,医師の指示によらずに自分の判断で整骨院・接骨院に通う場合には,施術費用が損害として認められないこともありますので,その点についても注意が必要です。

 どれくらいの通院が望ましいかについては,あくまで推測ですのではっきりしたことは言えませんが,例えば最低6ヶ月(6ヶ月の理由については下記(4)参照)の間に,100日くらい通院すれば,通院頻度がプラス評価される傾向にあるように思います。

 もちろん,6ヶ月100日通院していればそれだけで14級9号が認定されるというものでもありませんし,通院日数がそれより少なくとも(月1回など極端に少ないのは厳しいとは思いますが),神経学的テストの結果など他の要素とあわせて評価され,14級9号が認められることもあります。

 また,症状固定後も自費で通院を続けている場合には,自覚症状の訴えの信憑性を高めたり,神経症状の残存を裏付ける状況証拠となりますので,認定上有利な事情になると考えられます。

(3)長期の通院ブランク

 例えば1ヶ月通院していない期間があるなど,途中で長期の通院のブランクがある場合も,症状がたいしたことがないから通院していない,ブランク後の治療は事故と関係がないなどと判断される可能性があります。

(4)短期間(6ヶ月未満)で治療終了

 短期間で治療が終了している場合も同様です。通院期間が6ヶ月未満で画像所見などの他覚的所見が乏しい場合には,14級9号が認定されるケースはほとんどないのが実情です。

 保険会社はそれを知りながら,事故から6ヶ月未満で治療費の支払い打ち切りや症状固定の打診を行ってくることがありますので,注意が必要です。

 症状固定時期は保険会社が決めるものではなく,保険会社の治療費支払い打ち切りは,仮払のサービスを終了するという意味でしかありません。

 主治医が症状固定は来ていないと判断しているのであれば,その旨の診断書を作成してもらって保険会社と交渉しましょう。

 そして,交渉しても打ち切りが避けられない場合,健康保険を利用して自費で主治医が判断する症状固定時期まで治療を継続することも検討しましょう。

4 症状が軽い,常時発症していない

 後遺障害といえるためには,残存した症状が重いことが必要です。違和感やだるさ程度の症状では,後遺障害として認められない可能性が高いといえます。
 さらに,基本的に後遺障害では常に症状があることが前提となります。
 例えば,普段は痛みがないが,雨の日だけは痛みがでるような場合も,後遺障害として認められない傾向にあります。

後遺障害認定のポイント

14級9号認定のポイント

 前述の非該当事案での事情を踏まえて,後遺障害等級認定のポイントを整理しますと,以下の通りとなります。

  • 症状の発生を裏付けられる程度に外力が大きな事故態様であること
  • 事故当初から少なくとも6ヶ月は継続的に通院をしていること(6ヶ月間で,100日くらい通院することが一つの目安です)
  • 事故当初から訴える症状が,継続・一貫していること
  • 症状がそれなりに重く,常時発症していること

 これらに加え,以下の他覚的所見があれば,認定可能性が高まるものと考えられます。

  • 症状に整合する画像所見があること
  • 症状に整合する神経学的検査の結果があること
12級13号認定のポイント

 前述のとおり,医学的に証明可能なレベルを求められる12級13号においては,MRIの画像上で明確に神経根の圧迫といった異常を確認することができることが不可欠で,さらにそれを裏付ける複数の神経学的検査結果が必要だと考えられます。

  • 症状に整合する明確な画像所見があること
  • 症状に整合する複数の神経学的検査,特に客観性の高い腱反射テストや筋萎縮検査の結果があること

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